スーパー・ヒューマンJOBとキャッチサーフの未来(CS Blog by NAKI)

スーパー・ヒューマンJOBとキャッチサーフの未来(CS Blog by NAKI)

キャッチサーフを表す言葉はたくさんあるが、

私の好きなタグライン(キャッチコピー)は以下のものだろう。

The Ultimate Surfing Machine

We are not Superboards, we are Catch Surf

スマートフォンの発達で、

SNS、

YouTubeで億単位を稼ぐサーファーが現れた。

ミスター・パイプラインと呼ばれるジェイミー・オブライエンである。

ジェイミーことJOBは、

ノースショアのライフガードの長男として、

パイプラインの前で育ち、

伝説的なバレルの数々をメイクしてきた。

しかしコンテストという30分間だったり、

勝ち抜き戦には当てはまらない壮大なスケールが彼にはあった。

そこでJOBは、

風雲たけし城とか、

クロコダイル・ハンター系の主題である

「危険」を撮影することによって、

また危険をコントロールすることを公開し始めたのだ。

その彼がキャッチサーフに乗ってパイプラインのボイルセクションから、

ボーナスまでメイクする映像が流れると、

業界は騒然となった。

なぜなら、

このパイプラインでボイルからボーナス・セクションをもメイクできるボードというのは、

非常に吟味されたものでなくてはならない。

これまでは、

「魂のシェイプ」とか、

「至宝」といった重文の重みがあるものだけがパイプラインでサーフされてきた。

文字通り命をかけて波に乗るからに他ならず、

ここでキャッチ・サーフは、

かのディック・ブルーワーやジェリー・ロペス、

フィル・エドワーズたちの系譜に名を連ねたのだ。

のみならず、

それからJOBは、

ワイメア・ショアブレイク、

惑星で一番危険なケイキ、

さらには強烈なバレルで知られるパスクアレス(メキシコ)や、

カリフォルニアのウエッジの激烈もメイクし、

キャッチサーフの性能と安全を世界に知らしめて今に至っている。

それに追従したYouTuberがベン・グレービーで、

彼もまたJOBのようにアメリカ全土、

そして世界各地でキャッチサーフ、

またはそのエントリーモデルであるウェーブ・バンディットで波に乗り続けている。

この広大なる露出によって、

さまざまな会社や団体が、

このソフトボードに目を付けたのは当然ともいえるだろう。

各社はそれぞれライダーだとか、

シェイパーを連れてきつつ、

あの手この手でいまも展開しているが、

どれもキャッチサーフに近づくことすらできないようだ。

これで初回に書いたジョージ・アルゼンテの

「世界一のサーフボードを作りたい」という野望が実現したが、

彼はさらなることを狙っているという。

いつかの機会にまたこのキャッチサーフにまつわる詳細だったり、

歴史を振り返る編を書いてみたい。

全10回、

総計12,800字ものお目通しをありがとう!

これからもみなさんが楽しくサーフできますように。

Happy Catch Surf!!

(続く)

 

NAKI(ナキ)■キャッチサーフ社広報、アジア担当エージェント。プロサーファー、1992年メキシコのASPテカテプロ7位を機にフリーサーファーとなる。フォトグラファー、プロデューサー、エッセイストであり、〈ハッピーサーフ思想〉の創始者。また「キャッチサーフの想い」に殉ずる覚悟で、このソフトボード世界へ夢を乗せて日々波に乗っている。ちなみに尊敬する人のひとりに同社主宰のジョージ・アルゼンテとあるのは、リップサービスではなくて真実だ

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